体型と特徴
ケアーン・テリアは狩りに使われていた犬種だけあって、我慢強く勇敢で活発な性質が特徴的です。足が短く、体長が体高よりやや長くなっていますが、体の位置はシーリハム・テリアやスコティッシュ・テリアほど低くありません。ケアーン・テリアはこの体型でどんな狭いスペースにでも入り込み、獲物を追い詰めることができました。
他のテリア種と比べてもかなり幅広な頭部のおかげで、顎の力が発達しました。雨に強い被毛は、柔らかく密集した下毛と、豊富な粗い外毛の二層構造になっています。顔の周りに飾り毛があるため、少しキツネのような風貌になっているのが特徴的です。
この犬種が完成するまで
ケアーン・テリアは、スコットランドのスカイ島に生息していたとされ、足の短いテリア種の祖先犬ともっとも類似しているといわれています。この犬種は15世紀頃から存在し、キツネ、アナグマ、カワウソなどの狩りに使われていたようです。犬たちは石塚(記念碑やこの犬種が完成するまで的建造物として作られた岩場の積み石)の中からカワウソたちを追いたてることを得意としていました。
毛色にはホワイトやグレー、レッドなど、さまざまな色がありましたが、ショーではすべてをひっくるめて「スコッチ・テリア」とみなしていました。1873年にようやくダンディ・ディンモント・テリアとスカイ・テリアに分けられ、スカイ・テリアが今度は1881年に、スカイ・ヘアード・テリアとハード・ヘアード・テリアに分けられました。そして遂に、ハード・ヘアード・テリアがスコッチ・テリア、ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア、そしてケアーン・テリアとに分けられることになったのです。
一時期は、ケアーン・テリアと呼ばれたりショート・ヘアード・スカイと呼ばれたりしていましたが、最終的には1912年頃ケアーン・テリアという名前に落ち着きました。ケアーン・テリアの形成にもっとも影響した犬たちはそのほとんどが白い毛色をしていましたが、1920年代に、これら白色の血統と混じらないように、ケアーン・テリアをウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアはもちろん、白色の犬種と掛け合わせることが禁止されました。
イギリスではたちまち人気が上がり、アメリカでも『オズの魔法使い』の“トートー”役として人気を博しました。数あるテリア種の中でもっとも原型に近く、あまり人の手が加えられていないケアーン・テリアは、優れた作業犬としても高く評価されています。イギリスのケアーン・テリア・クラブの標語“The best little pal in the world”(世界で一番の小さな相棒)からも、いかにこの犬種が大切にされているかがうかがえます。